「まさか、妻とのゲームが賞につながるなんて...」

どうも、映像ディレクターをしながらメタルバンドのボーカルもしている、オムニクリエイターのとしまる(Toshimaru)です。普段はAIと深夜の妄想力を武器に、訳の分からないクリエイティブ実験ばかりしています。
今回お話しするのは、Vidu Game Showでストーリー・設定部門を受賞した「World of Didea~運命の賽は投げられた~」の裏話。
🎲 全てはサイコロから始まった
ある夜、妻と某有名ゲーム機でパーティーゲームをしていたとき、事件?は起きました。
画面の中で赤い帽子のおじさんがいろんなキャラとサイコロを振って、デジタルなすごろくボードを駆け回る。テレビゲームなのに、なぜかアナログなボードゲーム感満載のそのゲーム。ふと、こんな妄想が頭をよぎったんです。
「もし、このすごろくの世界に本当に迷い込んじゃったら...?」
妻は「?」という顔をしていましたが、私の脳内では既に壮大な物語が動き出していました。
LLMとの深夜ブレストセッション開始
その夜、興奮冷めやらぬまま、AIとのブレスト開始。

私の秘密兵器は「水平思考で考えて」という魔法の言葉。これを投げると、AIは時々、人間では絶対に思いつかない角度からアイデアを出してくれるんです。


今回のテーマは「ゲーム」。でも、みんなが想像するのは絶対テレビゲームでしょ? だからこそ、あえてレトロに。アナログに。逆張り精神で攻めることにしました。
(後で知ったんですが、似たような設定の作品、実は結構あるらしいです...笑 でも、それもまたサイコロの運命!)
🎬 6分30秒の奇跡を作り上げる
「長編を作る」という無謀な挑戦
動画生成AIで長編? 正気かって感じですよね。でも、やってみたかったんです。結果、6分30秒という尺に落ち着きましたが、この制作過程がドラマティックでした。※本当は23分くらいのアニメにしたかった・・・。
🎭 キャラクターの一貫性との格闘戦
一番の敵は「キャラクターの一貫性」でした。

4人の固定キャラを登場させるって決めたものの、AIって気分屋なんですかね?同じキャラのはずなのに、なぜか衣装がごちゃまぜになったり...

そこで救世主となったのがVidu のQ1リファレンス。これが登場したとき、「マジか!すげえ!」って叫びましたね。

Google AI Studio の恩恵
Google AI Studioの”Native image generation”を活用することで、各キャラクターの背面画像や横面画像を作成し、リファレンスに登録するのが捗りました!


各キャラクターの横顔、後ろ姿、表情パターン...まるで映画の設定資料を作るように、丁寧にリファレンス画像を準備。この作業、地味だけど愛着がわくんですよね。
⚠️ 落とし穴発見:リファレンスを欲張って大量に使用すると、逆に認識精度が落ちるという罠が...。まさに「過ぎたるは猪突猛進」状態でした。
🛠️ プロモードという名の最終兵器
シンプルなプロンプトでサクサク生成できれば楽なんですが、現実はそう甘くない。頭の中のイメージと生成結果が全然違う時の絶望感... もちろん、納得できるシーンもたくさん作れたのですが、、、

そんな時の救世主が「プロモード」。細かく演出指示を出したいときに、便利なのと自動で簡単な指示から最適化してくれる機能です。頭の中のイメージを自然言語で伝えて、「最適化」ボタンをポチっと押すだけ!出力された文章も修正できるからめちゃくちゃ便利。

こんな感じでプロンプトの内容をリッチにしてくれて、自分の脳内イメージとの整合性を確認できるのがメリットです!
構図やカメラアングル、カメラワークも直感的に選択できるのも良い点ですね!

さらに、リファレンス素材を変えたり、新たにシチュエーションを変更したい時は画像内のアイコンをクリックするだけ!

入力欄に変更内容を記入して、「最適化」を選択するだけで、プロンプトを再提案してくれます!
🎞️ 「フレーム抽出」という名の最強便利機能
これが本当に助かった!

生成した動画の中から「この瞬間だけは完璧!」というフレームを見つけて抜き出す。まるで鉱山から貴重な鉱石を見つけたような達成感。そのフレームを新しい動画の出発点にすると、また新しいドラマが生まれるんです。

Reference × フレーム抽出 = 新たなクリエイティブイメージ
この組み合わせは、Viduならではの機能ですねん。キャラクターの一貫性を保ちながら、物語を紡いでいく...まさに現代の魔法です。

⏰ 27時間の戦い〜車内からの最終決戦〜
7月7日、本格的な制作開始。
本格的な作業スタートです。コーヒーとエナジードリンクを携え、深夜のクリエイティブモード全開。
7月11日、運命の6時間。
この日が一番の山場でした。6時間ぶっ通しでViduと格闘。目が痛くなるまで画面を見続け、何度も何度も生成を繰り返す。まるでRPGのレベリング作業のような集中力でした。
そして7月13日...投稿締切日当日の悪夢
なんと、この日は帰郷予定。しかも車での長距離移動。
「まあ、余裕でしょ」なんて思っていたら...
🚗💨 渋滞地獄開始
予想外の渋滞、さらには通行止め!時間はどんどん過ぎていく。車内で私は必死にスマホを握りしめていました。
「Viduアプリ、頼む...!」
この瞬間、Viduのスマホアプリがまさに救世主となりました。助手席で必死にスマホをタップ。渋滞で動かない車内が、突如クリエイティブスタジオに変貌。
妻は運転しながら「また変なことしてる...」という表情でしたが、私は真剣勝負。車内で生成できる分は全部やっておかなくては...!


21:30 - 自宅到着、最後の戦いが始まる
やっと自宅に到着。でも、ここからが本当の勝負でした。
車内で生成した動画素材を使って、最終的な動画編集作業。カットの繋ぎ、音楽、テロップ...時計を見るたびに心臓がバクバク。
さらに、SNS投稿文も考えなくちゃいけない。作品の魅力を伝える文章って、意外と時間かかるんですよね...

23:59 - 奇跡の投稿完了
投稿ボタンを押した瞬間、時計は23:59。
残り1分。
もう笑うしかありませんでした。「あぶねー!」と叫んだ私を見て、妻も「お疲れさま」と苦笑い。
この経験以来、Viduアプリは私の相棒です。今でも外出先でふとアイデアが浮かんだ時、電車の中でも、カフェでも、サクッと動画生成してます。
まだダウンロードしてない方、本当におすすめです!いつどこで創作意欲が湧くか分からないので、スマホに入れておくと動画生成人生が変わるかも?

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結果として生まれた6分30秒の作品は、サイコロのように予測不可能な偶然と、それを形にしたい執念の産物でした。
妻とのゲームから始まった小さなアイデアが、まさかこんな形で結実するなんて。人生って、本当にサイコロみたいですね。