
始めましてテックトークナビゲーターと申します😺
ViduCPPに所属させて頂いておりまして、主にリアルな3Dアニメーションやアニメーション製作をしております。
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AI動画制作に質の底上げについて
AI動画制作の世界は急速に進化しています。ツールの高機能化により、誰もが短時間で魅力的な映像を生み出せる時代になりました。しかし、誰でも簡単に作れるようになった今だからこそ、"質の差"が重要になってきています。
本記事では、AI動画のクオリティをワンランク上げるテクニックとして、「画像のアップスケール(高解像度化)」に焦点を当て、その効果と方法、注意点について解説します。
1. なぜアップスケールが必要なのか?
映像の印象を左右する「解像度」
AIで生成される映像は、ツールによっては解像度が限定されていたり、ディテールが曖昧なことがあります。特にSNSやプレゼンテーション用に動画を使用する場合、視聴者の第一印象に大きな影響を与えるのが「映像の鮮明さ」です。
解像度不足によるデメリット
- ぼやけた輪郭:人物や背景の精度が下がる
- エフェクトの効果減:光や煙、爆発のディテールが失われる
- 編集耐性の低下:ズームやクロップ時に画質が崩れる
アップスケールによって、これらの弱点をカバーし、プロフェッショナルな印象を与える映像へと昇華できます。
アップスケール例:https://www.youtube.com/embed/Y8LMi92gBvU
2. 画像のアップスケール方法:3つのアプローチ
アップスケールを行う方法には複数ありますが、使用するツールによって求められる環境や処理結果に違いがあります。特に注意したいのが、GPU(グラフィックボード)の有無です。
高品質なアップスケール処理を行う「Topaz Video AI」や「Real-ESRGAN」などのAIアップスケーラーは、高性能なGPUが必要になります。これにより、処理速度が高速化され、より自然で精細な補完が可能になりますが、その分PCのスペック要求は上がります。
一方、Webツールは手軽に利用できる反面、処理品質や解像度上限、出力形式に制限があることも。また、動画編集ソフトに付属するアップスケール機能は、プロジェクト内で一貫して処理を行えるメリットがある反面、AIベースの高精度補完までは対応していないことが多いです。
以下に代表的なアップスケール手法を紹介し、比較表で違いを明示します。
ツール公式サイトリンク一覧
- Topaz Video AI
- Real-ESRGAN(GitHub)
- Upscale.media
- Let's Enhance
- FlexClip
- DaVinci Resolve
- Adobe Premiere Pro

少なくとも1K(1080p)、できれば4Kサイズまでアップスケールしておくと良いかとおもいます。
3. アップスケール時の注意点
(1)解像度だけでなく"元画質"も重要
元画像や元映像がぼやけていたり、ノイズが多い場合、アップスケールでそれが強調されてしまうことがあります。理想は、元からある程度のクオリティを担保しておくこと。
(2)過度な処理は"不自然"になることも
ディテールを強調しすぎると、CG感やノイズのような質感が出るケースもあります。とくに人物の顔などは、違和感を生む原因になることがあるため注意が必要です。
(3)ツール依存による結果のバラつき
AIツールごとに得意不得意があります。例えば、背景の建物は綺麗になるが人物の表情が不自然になるなど、用途に応じたツール選びがカギとなります。