1. 🎬 はじめに | 変身するMVを作ってみた
今回は、『電脳椅子探偵シャルロット』のシャルロットが、デッドマンズハンド編+『電脳記録都市キャメロット』に登場する「黄連華(ランファー)」へと変身して踊るMVを、Viduを使って制作してみました。
「ただのキャラダンス」ではなく、「演出的に変身していく」ことを意識した映像構成になっています。
🔹 なぜ“変身”を演出するのか?
人には、変身願望がある。
それは、現実からの逃避ではなく、
“もう一つの自分になること”への純粋な衝動でもある。
フランツ・カフカの『変身』のように、
変化は時に異形で、不可逆で、そして美しい。
MVという表現は、その願望を映像として記録する最小単位の物語だ。
歌に合わせて踊るという行為で、キャラクターは「演じる存在」から「演じる自分自身」へと変わる。
この映像でシャルロットが変身し、
“黄連華(レンファ)”というもう一人の自分を演じるのも、
その延長線にある。
だから私は、MVという表現を“単なるダンス映像”としてではなく、
変身の記録として使いたいと思っている。
そしてそれは、誰にとっても可能な“創作の入口”になるはずだ。
なぜMVを作成するのか?
MV(ミュージックビデオ)は、AI映像クリエイターにとって
最もとっつきやすく、それでいて“作品っぽく見える”表現形式だからです。
- 音楽をSunoなどで簡単に作れる
- カットを並べて“ビートに合わせる”だけで「それっぽさ」が出る
- ストーリー構成が不要でも成り立つ
- テキストで説明しなくても「世界観」が伝わる
だからこそ、色々な人に挑戦して欲しいところであり、他の人との差別化である「フック」を大事にして欲しい。
🔹 教育現場でも証明されている「MVの魔力」
デザインスクールやAI講座でも、「課題をMVにしただけで出席率100%」という声があります。
「動画生成AI+音楽」というだけで学生が夢中になるのですね。
- 難しい理論よりも、“映える”=成功体験につながりやすい
- 投稿してすぐ反応が返ってくる構造が、“創作のPDCA”を短く・速く回せる最大の利点です。
🔹 だからこそ、AI時代の「第一歩」にMVは最適なのです。
AI初心者でも「作品化」しやすいというのがキーポイントです。
- 作品単価が低くても、“自分の色”を出せる余地が多い
- シリーズ展開(MVシリーズ/変身テーマ/キャラ別)に派生しやすい
2. 🧠 コンセプト|“記録されない側”の変身演出
シャルロットは、観察AIとして「記録を行う側」の存在。
対して、黄連華は“記録に干渉し、塗り替える”存在です。
今回のMVでは、この「視点の交代」=“記録する者から、記録を欺く者へ”というドラマを、変身演出を通じて表現しています。
単なる見た目の変化ではなく、「情報の立場が入れ替わる瞬間」そのもの。
それをダンスMVという形式を借りて“可視化”したのが、今回のテーマです。
──“観察者が、観察される側へ。”
──“記録AIが、記録を欺く仮面をまとう瞬間。”
この“視点のシフト”こそが、Charlotteプロジェクトにおける重要なモチーフの一つでもあります。
チャイナ服姿の黄連華に変身しているシャルロット。
本映像では、シャルロットがチャイナ服姿の黄連華に変身し、そのまま物語の中に入り込む“没入的演出”を試みています。
3. ️ 制作の流れ | Viduでの実装方法
- ステップ1:シャルロットの入力画像/動画生成
- キャラ固定 → AIビジュアル
第7シーズンはタロットカードとポーカーが題材
今回は物語の中にダイブして、黄連華というキャラに扮して事件に関わる。
- ステップ2:黄連華のカットへ遷移
- viduの画像から動画を使うのですが、ここで、2枚の画像から変身させるのは難しいので、一回デジタルエフェクトの画像を用意して、間に挟ませます。
キーとなるデジタルエフェクト画像
プロンプトは以下になります。画像はnijijourenyで生成しています。
デジタル空間の中で、青白く発光する人型の上半身が崩れながら消滅していく瞬間。無数の四角い情報粒子やガラス片のようなデータが空中に舞い上がり、身体の上部から放出されていく。背景は暗く、浮遊する青いエフェクトと光の粒子が広がるサイバー空間。情報が分解されていく様子を幻想的に描いたアニメ風のイメージ
- ステップ3:ダンスループ+MV的構図
- 同じポーズで変化を見せる→「変身前/後」が滑らかに
キャラクターが光の粒子に包まれていく姿も、W.A.T.S.O.N.が別次元の“蓮”へと変化する演出も、すべてはひとつのメタモルフォーゼ(変身)として描いています。
普段の椅子から↑
物語の中の、アイテムへと変化する。
コツとしては、似たような構図のアイテムを選択すること。
プロンプトは以下となります。
In a dark cybernetic chamber, a glowing futuristic armchair-shaped AI slowly dissolves into particles of blue light. Its outlines flicker as data streams begin to flow from the seams. The chair levitates and begins to fold inward, compressing into a cylindrical core of swirling holographic code.
4. 🎭 コスプレ展開へのつなぎ
今回のMVで使用した「黄連華」のデザインは、リアルコスプレ展開も想定しています。
生成AIによって決定したデザイン案をもとに、今後はモデル・声優・クリエイターによる参加型演出も計画中です。
近い将来、コスプレイヤーによる“黄連華の再現”が実現するかもしれません。
(お楽しみに!)
なお、リアルでのコスプレ展開を見据え、衣装だけでなく、
インナーや細部の設計にもこだわっています。
実際に演じる側にとっては、“どれだけキャラに近づけるかが情熱の源になるからです。
5. 📹 完成映像&今後の展望
今回のMVには、オリジナル楽曲『黑夜之華』を使用しています。
中国風の旋律と力強いビートが、“黄連華”の神秘的かつ力強い存在感を際立たせています。
シャルロットから黄連華へと変身する流れと、この楽曲のクライマックスがリンクするように演出構成しました。
▶︎ 動画リンク
https://www.tiktok.com/@noriyang_ai_artnft/video/7535713584299511048?is_from_webapp=1&sender_device=pc&web_id=7376166393785599489
🎧 楽曲タイトル:黑夜之華(Black Night Blossom)
🎤 ジャンル:中華風エレクトロ・女性ボーカル
🎵 使用場面:MV本編、変身シーン直後〜クライマックス
諸事情で『電脳椅子探偵シャルロット』第7期 DeadMansHand編のアニメーションシリーズを優先で制作することになりましたので、宣伝も兼ねての公開です。
本編だけでなく、AIアニメシリーズのススメとしての『電脳椅子探偵シャルロット』の作り方もviduさんのブログにて無料公開していきますので、皆様お楽しみに。
では、次回もよろしくお願いします。
